徳島県も梅雨入りし、植物にとって成長の季節となりました。当施設では、園芸療法として、今年もプランター菜園で、「ナス」「赤パプリカ」「黄トマト」「甘長ししとう」を入所者さんと一緒に育てています。
介護職員が入所者さんにお声がけしたところ、「やろか!」と即答いただけたことがきっかけとなり、プランター菜園での夏野菜栽培が始まりました。今では「自家製採れたて夏野菜」を食することを楽しみに、毎年の恒例行事となっています。 今回は、プランター菜園を手掛けている介護主任 吉田夕子さんに話を聞きます。
吉田 園芸療法に関心があったので、当施設でもできることはないかと思案していました。手軽に始められるプランター菜園を入所者さんにご提案したところ、「ほな、やろか!」とお返事いただけ、育てやすく、食べる楽しみもある夏野菜栽培を始めることになりました。
吉田 まず、水やりや間引きなどの作業を一緒にしてくださることで入所者さんの活動量が増加します。また、野菜の成長を見守るという役割ができるとともに、実った時には「やり遂げた」という達成感、育てた野菜を食べる「喜び」を得ることが期待できます。プランター菜園での野菜栽培を通して「自分らしい生活を送り、その質を向上させる=QOL」の向上につなげたい、と考えています。
吉田 苗を植えたり、水やりをしたり、追肥をしたりと、いずれも入所者さんが一緒に取り組んでくださるのですが、とても生き生きとした表情で作業をしていらっしゃるのが印象的です。入所者さんには栽培の経験者もいらっしゃって、私たち職員にアドバイスをしてくださり、助けられています。
吉田 はい。実は「プランターではなく、畑を作らんで?」と本格化するご提案をいただいております。設置場所などの確認を含め、ご期待に沿えるよう施設内で検討中です。
吉田 プランター菜園では花などの栽培もしているのですが、野菜栽培は特に人気があり、桜が終わる頃になると毎年「今年は何を植えるんで?」と入所者さんが声をかけてくださいます。自然と、多くの方が参加してくださるようになりました。
吉田 そうなんです。「枯らすわけにはいかない!」と、かなり真剣です(笑)
吉田 今年の収穫はまだ先ですが、例年、食事の際にサラダや献立にはない特別な一品として調理してお出ししています。
吉田 レクリエーションの一環として、地域の園芸店から草花を取り寄せてフラワーアレンジメント作りをしています。フラワーアレンジメント作りでは、主に手先を使うことによる脳への刺激や、花による心のリラクゼーション効果が期待されています。
吉田 気軽に参加していただけるような野菜を選んだり、栽培計画を立てたりすることも大切です。野菜栽培などの活動を通して活動量が増えれば、体力や免疫力、ADL能力の向上につながります。また昔を思い出しながら作業すること(=回想法)で、脳の活性化につながる可能性がありますので、今後も多くの方に参加していただけるようにしたいです。 それに、リハビリテーションの専門家ではない介護職員の私たちが、工夫次第でリハビリ効果を期待できる活動が可能だという点においても、大きな意義を感じています。施設の介護職員のひとりとして、ぜひ継続していきたいです。
吉田 今はプランター菜園での栽培ですが、いずれは敷地内に畑を作りたいです!!たくさんの野菜を入所者さんと一緒に育てたいと思っています。すでに一緒に楽しく活動させていただいていますが、何より入所者さんの生き生きした姿を見られることが私たちにとっても励みになっています。これこそ園芸療法の成果ですね!?今年の夏野菜も収穫まで枯らしませんよ!(笑)