羽ノ浦町は、徳島市から15㎞ほど南に位置する町です。南側に一級河川那賀川が流れ、なだらかな丘陵と平地が主体となっています。町の中央を徳島と高知を結ぶ土佐道が通っていたことから、那賀川の水運とあわせて交通の要衝として栄えてきました。
ヴィラ羽ノ浦は、県道130号から県道276号に入って車で約3分。しばらく走ると水田越しに水色の大きな建物を見つけることができます。
桜の名所として知られる岩脇公園がお出かけ圏内。近隣は田に囲まれていて、初夏には田植え後の水田に緑が広がり、収穫時期には金色の稲穂が風に揺れ、秋が深まると収穫後の田がピンクの絨毯広がるコスモス畑に一変します。色彩豊かに季節を味わえることは、入所者さんをはじめ職員にとっても、楽しみのひとつです。
久世光洋施設長に、施設についてお聞きしました。
早いものです。平成13年(2001年)に開設してから今年の10月で満20年を迎えます。施設周辺の桜も20年分成長しました。
当施設は周囲を桜に囲まれています。散歩にもよい季節になりますし、開花が待ち遠しいです。春の桜に限らず、景観のよさは自慢です!周辺には田が広がっていて高い建物が少なく、施設上階からの見晴らしは抜群です。眺望のよさから3階にガラス張りの浴室を設置したと聞いています。
当施設は、デイサービス、ショートステイ、入所でご利用いただけます。デイサービスは送迎エリア内から、ショートステイや入所も近隣市町村からのご利用が中心です。
デイサービスをご利用の方がショートステイ、必要に応じて入所と、引き続いてお越しくださることが比較的多いです。
ショートステイのご利用を経て入所いただくと、職員もほぼ変わらないため、継続した環境の中でお過ごしいただけます。デイサービスと入所の職員は異なりますが、施設職員全員体制で利用者さんや入所者さんをサポートしたいと思っています。
いえいえ(笑)各部門の主任が軸となって、職員ひとりひとりがよく動いてくれているおかげです。
こどもセンターからの慰問や中学生の職場体験、大学生の介護等体験などもコロナ禍で休止となっており、職員にとっても寂しい限りです。将来の職業の選択肢に医療や介護を加えてもらえるチャンスでもありました。地域との連携や交流が復活することを期待しています。
IT化ですね!
現在、コロナ禍にあって面会はオンラインで行っていただいています。スマートフォン等をお持ちでない入所者さんには、オンライン面会用タブレットを貸し出して対応しています。コミュニケーションもスムーズで様子も伝わりやすく、意外とオンライン面会もよかった、とご家族の声をお聞きしています。入所者さんからは、直接では会う機会の少なかったお孫さんと顔を見ながら話すことができた、と喜びの声がありました。
一方で、直接の面会が減少傾向にあることはコロナ禍以前から見られた変化です。
以前からその一端を施設も担わせていただいていました。入所者さんからご自身のご家族のことを話してくださったり、職員の子の成長ぶりを孫の話のように聞いてくださったりします。職員が居室に伺うのを楽しみに待ってくださる方もいらっしゃって、会話に限らず、家族的なコミュニティーになっていると感じます。職員にとって施設は職場でもありますので、専門職としてもしっかり、利用者さん、入所者さんを支援させていただきます。
看護師、介護福祉士、管理栄養士、調理師、介護支援専門員、生活相談員、歯科衛生士の多職種が在籍していますが、子育て世代が多く、職種を越えて職員同士の話が合いやすいと思います。開設した頃から長年勤続している職員もいますよ。そういえば、ホームページを見て求人に応募してくれた方もいました。
関東方面からもホームページが閲覧されていたこともあり驚きましたが、広範囲から関心を持っていただけてありがたいです。「記事を見た」と入所者さんのご家族から声をかけていただいたこともありました。これもIT化の影響のひとつですね!時代が変わっていっていることを実感します。
医療面における充実です。平成29年に当施設の協力病院である「江藤病院」が小松島市大林町に移転したことにより、医療面での連携が図りやすくなりました。受診や検査のための移動時間が短縮され、入所者さんの心身の負担も軽減されたと感じます。夜間における看護師不在の時間についても、一層の安心感が得られたと思います。地域に根差した江藤病院と、同じ平成医療福祉グループの仲間として支えあえることは心強いですね。
超高齢化が進む中、施設における医療面の充実は避けては通れない課題です。法律の整備などをただ待つのではなく、入所者さん、利用者さんのためにできること、必要な環境をできる限り整えていくことができればと思っています。