当施設の介護職員3名が、喀痰吸引等研修第2号研修を修了して4月20日に新規登録しました!これで当施設における喀痰吸引等研修の修了者はあわせて9名となります。
以前の記事「もうすぐ20周年」のなかで施設長が語った、今後の「施設における医療面の充実」のひとつ、介護職員による「喀痰吸引等研修」について久世施設長と今回、喀痰吸引等研修を修了した介護福祉士 山田大介さんに話を聞きます。
久世 喀痰吸引等研修は、医師や看護師等のみ行うことができた「痰の吸引」および「経管栄養」について、一定の条件下において介護職員等が行えるようになるための研修です。実施可能な行為と対象者によって3つの研修に分けられます。平成24年度に「社会福祉士及び介護福祉法」が一部改正され、喀痰吸引等研修が始まりました。※厚生労働省ホームページより
久世 第1号が6名、第2号が3名、第3号は0名です。介護職員23名(常勤・非常勤含む)のうち、9名が喀痰吸引等研修を修了したことになります。
今回登録した3名は第2号研修を修了しました。コロナ禍で病院での実地研修の受け入れが難しく、第1号研修が実現しなかったことは残念です。
喀痰吸引等研修を修了した介護職員等は、「認定特定行為業務従事者」として認定証の交付を受けます。さらに認定特定業務従事者が所属する事業所が「登録特定行為事業者」として登録することで、利用者さんに対して痰の吸引等を実施することが可能となります。
※徳島県ホームページ参照
山田 同僚に声をかけられたこととがきっかけとなり、スキルアップのために研修を受けてみようと思いました。研修期間中は、勤務との両立となるため、プライベートはほどほどに、勉強と研修を優先に過ごしました。
久世 頑張ってくれていました!
山田 1回の吸引に対する手順の多さに驚きました。注意すべきことも多く、実際に吸引をする時には、特に咽頭などを傷つけないように気を付けています。研修を修了したことで、私も喀痰吸引等をできるようになりました。呼吸が苦しそうな時に、利用者さんを少しでも楽にしてあげられるようになったことは介護に携わる職員として、大きな喜びです。
久世 医師・看護師不在時にも介護職員が喀痰吸引等を行えることで、病院への入院に頼らず入所生活を継続できます。研修を受けることは職員の知識・技術の向上につながりますし、喀痰吸引等のできる介護職員が増えることで、利用者さんご本人、ご家族にも安心感を持っていただけるものと捉えています。また、職員にとっては、医療ニーズの高い方はもちろん、様々な病状や状態の方であっても受け入れることができる、という自信にもつながると考えています。
久世 まれに、溜まった分泌液や食べ物が気道を塞いでしまうことがあります。このような時、緊急で吸引を行う必要があります。喀痰吸引等研修修了者には、緊急時にも迅速に、的確に吸引できることが求められます。
喀痰には、唾液や鼻汁、狭い意味での喀痰(肺・気管から排出される老廃物や小さな外気のゴミを含んだ粘液)の3つが含まれます。私たちは、鼻をかんで、鼻汁を鼻の穴から排泄したり、 口から唾液を吐いたり、クシャミや咳などで喀痰を口から排泄することがありますが、通常これらの量は少量 で、ほとんどは無意識のうちにこうした分泌物を胃の中 に飲み込んでいるといわれています。
しかし疾病や障がい、何らかの原因で、勢いのある呼気や、有効な咳ができない場合、また嚥下障害で胃の中に飲み込めないと、喀痰が局所に溜まってきます。このような時にはゴロ音と呼ばれる貯痰音(気管に入ってきた異物や粘膜から分泌される粘液が排出されずに留まることによって生じる音)を生じることが多く、通常の喀痰吸引では、これを察知して吸引装置を使った喀痰の排出(吸引)を行います。
また、吸引を実施する際には口腔内や気管内の粘膜は柔らかく、鼻の奥にはたくさんの細かい血管があることも認識した上で、傷つけないよう、挿入する場所やカテーテルの深さは決められた通りに挿入する必要があります。
久世 感染症の有無にかかわらず、入所者様の血液、唾液をはじめとする全ての体液、分泌物、排泄物、あるいは傷のある皮膚や粘膜を感染の可能性のある物質とみなして対応する標準予防策(スタンダード・プリコーション)を基本とし、入所者さんと従事者双方における施設内感染の危険性を減少させることに努めています。
山田 利用者さんから「ありがとう」などのお声をいただいた時、とても嬉しいですし、やりがいにもつながっています。利用者さんのお役に立てるよう、一歩ずつスキルアップしていきたいと思っています。
久世 現在のところ喀痰吸引が常時必要な方はいらっしゃいません。時折看護師不在の夜間帯に喀痰吸引が必要となる場合があり、認定特定業務従事者登録をしている介護職員が対応しています。当施設における医療的ケアの体制はまだまだ充分とは言えませんが、今後も喀痰吸引などの医療行為が実施可能な介護職員の育成に力を入れ、施設内外の研修を実施・参加することで施設全体の質の向上を図って参ります。